所得税

2013年11月19日 火曜日

配当金の支払について

法人は株主に対して、いつでも株主総会等の決議に基づき配当を行うことができます。



1.配当のメリット・デメリット

・配当を支払っても法人の損金になりません
・配当を受けた個人株主は、配当所得として所得税・住民税(15%~50%)が原則として総合課税されます。
・配当を受けた個人株主は、原則として確定申告が必要です。
・配当に対しては社会保険料がかかりません



2.配当の手続

・株主総会または取締役会で配当の決議をします。その際、議事録を作成しておきましょう。
所得税(20.42%)を源泉徴収した上で、株主に配当を支払います。その際に、配当金額の1/10相当額を利益準備金または資本準備金として(資本金の1/4に達するまで)積み立てる必要があります。
翌月10日までに源泉徴収した所得税を税務署に納付します。年2回の納期の特例は適用できませんし、納付書も給与等とは異なるものになります。
・配当決議日または配当支払日から1か月以内に「配当等の支払調書」及び「配当等の支払調書合計表」を作成して税務署に提出します。また、株主に対して、確定申告で必要となる「配当等の支払調書」を交付します。



3.株主総会等で決議する事項

 
・配当基準日
 
・配当金額
 
・配当の効力発生日(配当支払日)



4.配当できる金額

・原則として純資産の範囲内であれば、金額を自由に設定することができます。
・ただし、純資産が300万円未満の場合には、配当を行うことができません。



5.配当支払時の仕訳について

  繰越利益剰余金  ○○○ / 現金預金     △△△
                       / 預り金(所得税) ×××
  繰越利益剰余金  □□□ / 利益準備金    □□□


 
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2013年11月 6日 水曜日

給料か? 外交員報酬か?

営業マンに対して歩合制の外交員契約をしている会社はたくさんありますが、その基準は非常に曖昧なものです。
実質的に社員なのか?外交員なのか?微妙なケースが散見され、税務調査では実質的に給料と判断されることも少なくありません。



1.消費税の違い

給料は不課税(消費税の対象外)であるのに対して、外交員報酬は課税仕入(消費税の対象)となるため、本則課税の場合には、外交員報酬は仕入税額控除(売上に係る消費税から差引くこと)ができますが、給料であれば、仕入税額控除ができません。
そのため、同じ金額を支払っていても税務署に払う消費税額が変わってきます。もちろん外交員報酬のほうが払う税金は安く済みます。
また、外交員報酬であれば、社会保険料の負担が生じません。



2.天引きする源泉所得税の違い

給料であれば、源泉徴収税額表を見ながら、甲欄乙欄の違い・社保控除後の給料額・扶養親族等の数によって源泉所得税の金額が決まります。
それに対して、外交員報酬は(報酬額-12万円)×10.21%で計算します。



3.もらう側は?

  給 料 外交員報酬
 確定申告
 の要否
 年末調整があるため
 確定申告する必要がない
 確定申告が必要であり、
 手間がかかる
 消費税
 の納付
 必要なし  報酬年額が1,000万円超
 だと2年後に納付が必要
 自腹の
 営業経費
 税金計算の際に考慮されない  税金計算の際に必要経費
 として控除
できる


 
4.給料と外交員報酬の線引きは?
下の図表を参考に総合的に判断されることになります。

給料  外交員報酬
 雇用契約に基づいている  外交員契約に基づいている
 営業備品・経費の支給を受けている  営業備品・経費の支給を受けていなく、自腹である
 会社の指揮監督下に入っている  会社の指揮監督下に入っていない
 固定給部分がある  固定給部分がなく、業績によって金額が変わる
 昇給や賞与がある  昇給や賞与のようなものはない
 


 
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