法人税

2014年8月18日 月曜日

オーナー社長保有の不動産を自社に貸すメリットとは?

不動産をお持ちの社長さんがいらっしゃいましたら、その不動産を会社に貸すことを検討しましょう。個人の不動産を会社に賃貸することは、会社と個人の取引を使った有効な節税策のひとつ。さまざまなメリットが期待できます。



契約更新を断られず、原状回復費でもめない

個人所有の不動産を会社に賃貸することは、会社と個人の取引を使った有効な節税策のひとつになります。
まずは賃借する会社側のメリットを考えてみましょう。

他人から物件を賃借すると、対価として支払ったお金は、社外に流出しておしまいです。これに対して社長個人から賃貸した物件に対しての支払いは、先ほどと同じく、会社としてはお金が外に出て行くものの、その行き先は社長個人になります。同じお金が出て行くのでしたら、第三者ではなく、オーナー社長の収入になったほうがいいでしょう。結果的に、お金は流出していないという見方もできるからです。

さらに、他人から不動産の賃借をした場合には、契約の更新を断られる可能性が無きにしも非ずです。また、契約を更新せず移転する際、修理費用でもめることも少なくはありません。修理費用が高くつき、その結果保証金や敷金の戻りが、期待していた金額よりも少なかった、という経験がある方も多いかと思います。

しかし、社長の個人所有の不動産でしたら、基本的には契約の更新を断るということはありません。修理費用が発生しても、それを受け取るのは社長個人です。修理・修繕を工務店に頼めば、これは個人の不動産所得の経費計算の範囲内で処理ができます。



家賃設定は客観性を加味すること

一方、社長個人の最大のメリットとしては、「安心感」ではないのでしょうか。不動産をあかの他人に貸すのは不安があるものです。「家賃を毎回ちゃんと払ってくれるだろうか」「借りてくれる人や会社は、しっかり契約を守ってくれるのか」「賃借人が退去するときには、ちゃんと出ていってくれるのだろうか」などなど。自分の不動産を自分の会社に賃貸すると、このような不安から解放されます。

しかし!社長と会社が賃借している不動産の所有者が同じということは、取引に客観性が欠けてしまうことになりがちです。一番のポイントは家賃です。あまりに高額な家賃の設定は、法人の利益を減少させることになり、本来治めるべき税金を少なく計上することに繋がるため、税務調査で指摘される恐れがあります。ですから、近隣の類似不動産の賃貸状況等を勘案し、多少の特殊事情なども加味した上で賃料を決めることが重要です。

詳しいことは会計事務所におたずねください。



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2014年7月31日 木曜日

社内サークル拠出金は福利厚生費? 交際費?

社内でレクリエーションの一環として、サークル活動などを実施する例は少なくありません。そのサークルの活動費用は、会社が一部負担する例もあるでしょう。その際に掛かった費用は「福利厚生費」になるのか、「交際費」になるのか。この場合、注意すべき点があるのです。

「誰でも参加資格がある」ことが福利厚生費となる要件



交際費等となる費用の支出の相手方には、自社の従業員も含まれます。ですので、本来はレクリエーション費用も交際費等に該当することになります。

しかし、会社が従業員間の親睦を図ることにより、従業員の会社業務へのモチベーションが向上し、それによる生産性の向上につながります。そのため、会社が従業員のレクリエーション活動といった福利厚生事業を推奨する例はよくあります。ですから、サークル活動などの福利厚生のために会社が負担した費用は「福利厚生費」に計上したいと考えるのが自然でしょう。

この場合、会社が負担するサークル活動費用が、次の要件を満たせば、「福利厚生費」として認められます。
その要件とは...

1.サークルへの参加が自由で、誰でも参加資格がある
2.会社の補助金が本来の目的に使用され、かつ明確である
3.打ち上げ、祝賀会等の飲食代が会議費程度


一方、社内サークル活動ではあっても、以下のようなことがあれば、「福利厚生費」とはならず、「給与」または「交際費等」となるでしょう。

特定の従業員だけに参加資格がある (全従業員に対して平等ではない)
得意先も参加する
会社補助金が通常程度を超えている
補助金を各人に分配したり、自由使用が可能 (お金を直接分配する)

なお、ゴルフサークルへの補助は給与とみなされる場合が多いので、ご注意ください。

詳しいことは会計事務所におたずねください。



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2014年7月18日 金曜日

固定資産を廃棄しなくても損金計上して節税できる?

本来は廃棄すべきなのに、そのまま倉庫や工場等に保管し、今後使用予定のない固定資産はありませんか?一定の条件を満たしている固定資産については、廃棄をせずに所有している場合でも、損金として計上できる場合があります。



「有姿除却」で現存のまま除却処理

機械装置や備品などの固定資産は、その耐用年数が過ぎて消耗が進んで使えなくなると、通常ならば廃棄します。廃棄した固定資産を帳簿上から除外することを「除却」といいます。この、除却処理を行うことにより、その除却した資産の帳簿価額は損金(経費)に計上されます。

固定資産の除却処理は、基本的には機械装置などの固定資産を廃棄する必要があります。固定資産を廃棄せずに、そのままにしていれば、帳簿にも計上し続けなければいけません。

しかし、会社が保有する固定資産の中には、廃棄するための費用が高額になるといったような理由で、今後使用する予定がないにもかかわらず、廃棄せずに、倉庫などに保管したままというケースがあります。こうした固定資産でも一定の条件を満たしていれば、廃棄を行わずに除却処理を行い、損金(経費)計上できる場合があります。これを「有姿除却」といいます。

有姿除却が認められる条件は、以下になります。

1.その使用を廃止し、今後通常の方法により事業の用に供する可能性がないと認められる固定資産
2.特定の製品の生産のために専用されていた金型等で、当該製品の生産を中止したことにより、将来使用される可能性がほとんどないことがその後の状況から見て明らかな固定資産

ただし、有姿除却を行う際の損金(経費)計上額は、その固定資産の帳簿価額の全額を計上できるわけではありません。

損金計上額=帳簿価額-処分可能見込額

上記のように、有姿除却時における損金算入額は、通常の除却処理を行った場合と同じように、その固定資産の帳簿価額から処分可能見込額を控除した金額になります。

有姿除却の対象になる固定資産は、機械や金型等に限りません。車両、工具や器具、パソコンなんかの備品など、帳簿に計上している固定資産ならば、前記の条件さえ満たせばどんなものでも適用可能です。帳簿価額が大きい固定資産だと、損金計上額も大きくなり、節税効果が大きく見込めることになります。



有姿除却を行う際の注意点

除却処理は本来、廃棄を行った固定資産に対して行います。一方、有姿除却は現存したまま除却処理を行うので、対象となる固定資産が本当に有姿除却処理を行うことが妥当なのかを検討する必要があります。

有姿除却の対象となる固定資産がいつでも稼働が可能な状態では、有姿除却の適用が認められません。
固定資産が再利用できないことを証明するため、主要部品だけを廃棄しておくという手法もあります。

また、金型については、その金型を使う商品が生産中止となっただけでは、有姿除却の適用は難しいでしょう。生産中止となったことを証明する資料(社内稟議等)を保存しておくなどして、誰の目から見てもその固定資産が将来の使用可能性がないと言い切れるようにしておく必要があるでしょう。

有姿除却は、会社から資金が流出することなく、決算日後でも損金(経費)として計上できます。決算期末になって利益がたくさん出たときに、有姿除却できる固定資産がないか検討してみましょう。

詳しいことは会計事務所におたずねください。



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2014年7月 4日 金曜日

平成26年度税制改正により中小法人の接待飲食費はどのように変わったか?

平成26年度税制改正で、接待飲食費に関して変更点がありました。
交際費等の額のうち、飲食その他これに類する行為のために要する接待飲食費について確認しておきましょう。


「接待飲食費の50%」か「1事業年度800万円」を選択

資本金が1億円以下の中小法人については、これまで1事業年度中に支払った交際費の金額のうち、800万円(定額控除限度額)を超える部分の金額は、いわゆる損金不算入といって、損金(経費)として認められませんでした。

今回の平成26年度税制改正では、交際費等の額のうち、「飲食その他これに類する行為のために要する接待飲食費」については、次のいずれかを選択適用できるようになりました。

(1)接待飲食費の額の50%相当額の損金(経費)算入

(2)800万円の定額控除限度額までの全額を損金(経費)算入

この制度は、平成26年4月1日以後に開始する事業年度から適用することとなっています。(1)と(2)のいずれにするのかは、事業年度ごとに選択することができます。

実際問題、一般の中小企業が1事業年度につき、800万円分の接待飲食費を使うケースは、そんなに多くないので、実質的には(2)を適用することになると思います。

また、平成26年度税制改正では、この交際費等の損金不算入制度について、その適用期限を平成28年3月31日まで2年延長することになりました。




どのような費用が「接待飲食費」になるか?

では、どういった費用が接待飲食費に該当するのでしょう。次に記しておきます。

・自己の従業員等が、得意先等を接待して飲食するための「飲食代」

・飲食等のために支払うテーブルチャージ料やサービス料等

・飲食等のために支払う会場費等の「場所代」

・得意先等の業務の遂行や、行事の開催に際して、弁当の差入れ等を行うための「弁当代」

・飲食店等での飲食後に、その飲食店等で提供されている飲食物の持ち帰りに要する「お土産代」など


税制改正前までは、接待飲食費であっても、支払った交際費のうち10%は経費となりませんでしたが、今後は800万円までの接待飲食費ならば全額経費として計上できます。

詳しいことは会計事務所におたずねください。




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2014年3月15日 土曜日

社長が会社に貸し付けた場合の金利

社長が会社にお金を貸し付けるケースは珍しくありません。
その場合、会社が社長に払う金利は経費になるのでしょうか?
適正な利息分であれば損金にすることが可能です。
しかし、不当に高い利息を支払った場合は、役員報酬とみなされます。



利息が不当に高いと役員報酬に

社長が会社にお金を貸し付けているケースでの金利は、当事者同士の契約により取り決めがなされるものです。よって、法定利子の範囲内であればいくらでもよいことにはなっています。

適正な利息分であれば、それを会社の損金にすることができます。しかし、不当に高い利息の場合には、それを超えた分は役員報酬とみなされるので注意が必要です。

適正な利息分とは以下のいずれかを指します。

・社長が金融機関等から借り入れて会社に融資した場合、その利率以下
・その他の場合は、毎年11月の公定歩合プラス4%以下

なお、社長が得た利子は雑所得として確定申告を要します。



会社から社長への貸付には規定がある

逆に会社が社長にお金を貸し付けている場合はどうなるのでしょう?

原則的に「他から借り入れて貸し付けたものである場合は、その借入金の利率により計算した利子、それ以外の場合は公定歩合+4%の利率で計算した利子」を徴収することとされています。

これは、法人(事業者)は収益を得ることを目的としているという考えに基づくものであり、利子収入も徴収されるべきものとして取り扱われているからです。



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